河東碧梧桐関連資料(石川九楊蔵)約60点、石川九楊作品「河東碧梧桐一〇九句選」全作品115点を初公開します。
俳人河東碧梧桐の生誕150年を記念し、書家石川九楊が所蔵する碧梧桐の書と九楊の作品「碧梧桐一〇九句選」を初めて紹介する展覧会を開催します。
伝統的な有季定型を脱し独創的に変遷してきた河東碧梧桐の俳句は、俳壇から異端とみられ評価されず、今や知る人は少ない。しかし、石川九楊は、碧梧桐の書と俳句に早くから着目し、碧梧桐が近代俳句の革命家であると位置づけています。また、九楊は、自分で作品にしてみなければ碧梧桐論の仕上げにならないと、碧梧桐の俳句を一〇九句選び、揮毫した作品「俳句の臨界 河東碧梧桐一〇九句選」を発表しました。
九楊の所蔵する碧梧桐の直筆資料では、初期から晩年までの碧梧桐の書の変遷を、また、九楊の作品「碧梧桐一〇九句選」では、石川九楊著『碧梧桐一〇九句選』に掲載された表紙絵や扉絵を含む115点をすべて紹介します。
九楊は、自著『河東碧梧桐―表現の永続革命』の中で「碧梧桐は、正岡子規や高浜虚子から”書の好きな人”だと考えられているが、能書家と呼ぶだけでは済まない次元で書に関わっていた。碧梧桐は、文字と書がひとつづきのものであると考えていたのだろう。書は文字を書く場に成立する美術ではなくて、それ自体が文筆=文学である。なぜなら書も文学も『文字を書く』つまり筆蝕する場に成立する表現だからである。」と述べています。
石川九楊の碧梧桐研究を通じて、碧梧桐の書と俳句をお楽しみいただければ幸いです。
投稿 河東碧梧桐と石川九楊―筆蝕の冒険 は I/M 市立伊丹ミュージアム に最初に表示されました。