四季に恵まれた日本では、古くから季節を愛でる文化というものがあります。連歌の流れをくむ俳諧では、常に季節を意識し、季節の言葉の集大成である季寄せ(歳時記)を大切にしてきました。茶の湯においても季節は重要ですが、千利休の時代まではあまり意識されておらず、元禄時代に普及した俳諧の影響により季節感が明確になったといわれています。季節の他にも、一座を通して人と人との和を成就するために座の文芸・座の芸道としての展開を遂げた経緯など、俳諧と茶の湯には多くの共通点が見られます。
本展では茶の湯を強く意識し、「わび」に徹した俳諧師芭蕉を取り上げつつ、俳諧と茶の湯を通じて四季に育まれてきた日本人の美意識を探ります。さらに、茶の湯と深い関係にある花や茶の湯を彩る和菓子の資料も交えて展示することで、体感的にも季節を感じていただける展覧会となっています。
どうぞお楽しみください。
投稿 季節を愛でる―俳諧と茶の湯 は I/M 市立伊丹ミュージアム に最初に表示されました。